図書・図書館史レポート

まぁです。

ご覧いただいてありがとうございます。

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もくじ

 レポート作成に関して

年末12月の中頃、図書・図書館史のレポートを提出しました。

通信教育のサイトの掲示板には

「一番楽しんでできた。」とか

「一番レポート作成しやすかった。」

という感じのコメントが見られましたが

私はどちらかというと苦手でまとめるのに苦労しました。

 

「返却がとても早かった。」という情報もネット上で

チラチラ見られましたがそれについても私はあてはまりませんでした。

 

ちなみにレポートにつきましてはくれぐれも参考としてご覧いただきますよう

お願い致します。

何かあっても責任は負いかねます。よろしくお願いします。

 

図書・図書館史合格レポート

説題

日本または西洋のどちらかを選び、それぞれの時代(古代、中世、近世、近代以降)の図書館発展の特徴をコンパクトに要約し、かつ私見(400字程度)を述べてください。

 

 

 日本の図書館の発展についてまとめる。
      
      1.古代
        
    独自の文字を持ち合わせていなかった古代日本に中国や朝鮮半島から文字が

伝わり書物がもたらされたのは、4、5世紀の頃であった。情報伝達媒体である

紙や墨、さらに仏教や儒教の伝来により漢籍や経典が普及することとなる。それは

天皇を中心とした国家統一の理念と国民を導く拠り所として繁栄していった。

 

 やがて当時貴重であった書物を保管する経蔵が発生することとなる。経蔵は

経典専門書庫である。利用者はおそらく僧籍関係者 に限られていたと思われる。

 大化の改新律令国家が形成されると行政の運営には文書が重要なものとなった。

文書の保管、書写などを専門に扱う図書寮が設置される。図書寮の業務は他にも

仏像の保管、国史の編纂、経典の写書、書・紙・墨・筆の作成など多岐にわたった。
 また経典の複製は写経によって行われ、聖武天皇光明天皇は各所に写経所を設けそれを推奨した。信仰の増進と学問発達に大きく寄与することとなる。
  その後国風文化の進展により仮名文字が成立し『伊勢物語』『枕草子』『源氏物語』などの国文学が生まれ、貴族の間で文庫を邸宅に設けるものが出てくる。

 

2.中世
    
    平安時代までは貴族や僧を中心とした仏教文化であったが、鎌倉時代になると武士が台頭し封建制度が確立する。戦国大名が登場してくると中央から地方へ文化が拡散した。
    印刷出版は複製技術が一層高まり、宋版本は版木に文字等を刻印して印刷されたもので印刷史上大変珍重された。

  武家文庫の代表としては鎌倉時代中頃に北条実時によって設けられた「金沢文庫」が有名である。図書には金沢文庫の蔵書印が押されおり、所有権を主張した最初であろうと思われる。

 室町時代には日本最古の学校といわれる足利学校が造られた。教育方針は儒学中心で、とりわけ易学と兵学に力を入れた。足利学校の文庫は武人から多くの図書が寄進され儒学関係、特に易学の典籍が豊富であった。利用に関しては、貸出は禁止、閲覧は1冊に限定、書き込み・切り抜きの禁止、季節ごとに本の手入れをするなどがあったという。利用にあたっての規約や所蔵印など現在の図書館に通じる点も見られるが、まだ一部の関係者のみに利用が限られていた。
    

3.近世
      
    江戸時代になると徳川家康により儒教の思想を元に集権的封建制が確立する。儒教を背景とした文教政策が重視され学芸が推奨された。これまでの文化は貴族や僧侶に限られていたが下級階層にまで伝播し、さらに貨幣経済への移行から一般庶民、町人の芸術・文化が形成される。経済的発展により今までにない商業出版が営業として確立し、読書人口が増え書籍を出版販売する書肆や貸本屋が誕生する。
    徳川幕府の文庫として最初に設置されたものに富士見亭文庫がある。我が国最初の官立図書館であり、江戸幕府の参考図書館であった。三代将軍家光は現在の司書に相当する「御書物奉行」を設置し書物の管理に当たらせた。
    また庶民の読書機関として浅草文庫、青柳館文庫などの公立図書館の先がけとなる文庫が出現する。

 

4.近代以降
     
    明治維新により封建社会は崩壊し新たな時代へ向かうこととなる。福沢諭吉やが紹介した欧米の図書館事情をはじめとして日本にも本格的な図書館を作ろうという動きが高まり、明治5年には国立図書館の源流である書籍館が発足する。その後合併、移転があり、明治13年東京図書館と称される。この時初めて図書館と呼ばれるようになる。明治30年帝国図書館と改称され、明治39年に上野に新館が完成、蔵書24万冊の近代的な図書館が誕生した。帝国図書館は昭和24年に国立国会図書館となる。
    そして昭和20年以降、GHQ指導のもと、誰もが自由に利用し得る開かれた図書館を目指す改革が行われた。閲覧の無料化、司書の職務規定と資格、図書館奉仕など新しい図書館のあり方を示すものとして昭和25年に図書館法が制定され、今日の図書館へと発展していくこととなる。

 

4.おわりに
     
    古代に文字、書物が伝来しその時代に沿って発展してきた。図書館(文庫)は、初めは高貴なものであり利用は貴族や僧に限られていたが時代の移り変わりとともに武家や町人にまで広がっていく。今では当たり前に使っている図書館サービスであるが、こうなるまでには先駆者たちの功業があった。欧米の影響を受け近代化を果たし、時代の変化とともに発展を続けている。図書館の辿った道を学ぶことは今後の図書館を模索するうえで大変有益なものであった。昨今ではコンピューターやインターネットの発達により資料の形が大きく変化している。今後は電子図書館が広がっていくかもしれない。今、大きく変わりつつある時代の中でこれからも図書館は変化していかなければならない。今求められていることを考え、現代に必要な機関としてその役割を果たすべく進化し続けるのが図書館の理想なのではないだろうか。

 

参考資料 千 錫烈 編著『図書・図書館史』 学文社 2015.10